グローバル化が進み、総じて語学力はより必要な時代です。
しかし、たまに違和感を感じることがあります。
転職や昇格に関して、英語力が
過剰に重要な扱いをされているのを散見します。
例えば、
TOEIC900点を取れば、
有名外資のXXX社に入れるはずとか、
この先英語力がないと管理職にあがれないとかです。
確かに外資系企業や日系のグローバル企業では
TOEICの高得点が要件とする会社が多く、
国際部門でなくても一定の英語力
が求められている時代です。
英語力は確かに重要ですが、
私には少し誤解があるような気がします。
英語と仕事に関する3つの誤解
1.英語力 ≠仕事上の能力
TOEICの点数が高いほど仕事上の英語運用力が高そうな
イメージをされる方も多いかと思いますが、
NOです。
確かにTOEICの点数が高いほど英語そのものは聞きやすくなるし、
レスポンスもより出来て会話は成り立ちやすくなるでしょう。
だったら少し極論ですがネイティブであれば
その辺の道で毎日遊びまわっている人を採用すれば良いんです。
でもそういう方がビジネスの場でスムーズな
コミュニケーションがとれるでしょうか?
できないでしょう。
飲み会での一般的な話題では流暢に会話できるでしょうが、
仕事でスムーズな会話はできないでしょう。
仕事で求められるスキルがないからです。
外資系でバリバリ働いる方はきっと英語力が高いから
というイメージをする人も多いと思いますが
それよりも仕事のスキルがかなり高いからと
考えるべきです。
2.仕事で必要な英語 ≠ 綺麗で発音、高度な読解力、豊かな語彙力
全部わからなくても
- 相手の伝えたいポイントを引出して掴める
- 簡潔かつ論理的でわかりやすいコミュニケーション
ができるかどうかです。
もちろん契約書など些細な点にも注意が必要な
一部分野においては専門的な内容について
正確な読解力、発信力が必要とされるは思います。
ただ多くの仕事においては流暢さは求められていないはずです。
仕事の能力(コミュニケーション力、情報整理力、問題解決力、マネジメント力etc)
が高い人は、間違いなく流暢な英会話でなくとも
必要最低限の言葉でも十分高い仕事の成果を発揮します。
過去にこういう人がいました。
日本人の出張者でTOEIC600点台で、
英語は得意ではなさそうな方が出張にいらっしゃいました。
その方はカタコトな英語でも、
少ないキーワードとジェスチャーで
複雑な内容にもかかわらず相手によく内容が
伝わっていたことを見かけました。
そうです、仕事における英語は決してベラベラ喋る必要はありません。
仕事ではただ雑然と仲良く相手とお話するのではなく、
相手を説得したり、相手にお願いや、アピールをしたりと
目的がある会話が多い。
なので仕事上で必要な英語は流暢さではなく
論理的で話が簡潔でわかりやすいことがより重要なのです。
日本語に置き換えても同じです。
同じ日本人でもよく喋るけど、結局何が言いたいかわからない
あるいは見当違いの答えを言っている人いますよね。
語学というのは仕事上では
あくまで仕事をする上での伝達手段の1つなのです。
意思疎通をする上での1つの道具と思えば良いでしょう。
その道具を使って結局何を産み出せるかが重要です。
3.TOEIC≠英語力そのもの
TOEICとは?
主催する国際ビジネスコミュニケーション協会
によれば
日常生活やグローバルビジネスに
おける活きた英語の力を測定する、世界共通のテストとのこと。
試験の出来栄えと実際の現場にGAPを感じる
英語が初めから得意ではなかった(TOEICで400点台)
私はTOEIC800点も超えれば
だいぶ英語を使って円滑に仕事ができるかと思いましたが、
実際に超えても残念ながらイメージと程遠いのが実態です。
TOEICで本当に測れるものとは?
現在仕事のやりとりの8割は英語ですが、
メールでならある程度込み入ったやりとりはできますが、
チャットや会話は簡単なやりとり程度がせいぜいです。
そうすると一般人にとって
日本におけるTOEIC試験の意味
- 「英語の運用力を測る試験」というより「英語を使う上での土台力を測る試験」
という位置づけ
TOEICは土台なので、間違いなく重要です。
しかしいくら土台を完璧にしても
立派な家にはなりません。
屋根があって初めて家になるものです。
しかし屋根をのせることができる人は、
土台が出来ている人に与えられやすいです。
駐在、海外研修、海外出張などです。
なので、
- TOEICは実践するチャンスをもらうためのパスポート代わりとも言えます。
整理すると、
本当に仕事で使える英語力を身に着けるには
次の3つのポイントがあります。
- 仕事の能力を磨く
- TOEICで高得点を取得する(駐在など実践する場を与えられやすい)
- 上記によって手に入れた実践する場で磨く
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